2016年度第7回目のスポーツアカデミーが2月28日に開催されました。
株式会社ミライロ リサーチ事業部部長の森田 啓 氏、一般社団法人 日本パラリンピアンズ協会理事の田口 亜希 氏にご講義いただきました。
【当日の概要報告】
※以下の報告は、別掲の当日資料と合わせてご覧ください。
2016年度第7回目のスポーツアカデミーが2月28日に開催されました。
株式会社ミライロ リサーチ事業部部長の森田 啓 氏、一般社団法人 日本パラリンピアンズ協会理事の田口 亜希 氏にご講義いただきました。
※以下の報告は、別掲の当日資料と合わせてご覧ください。
株式会社ミライロ リサーチ
事業部部長 森田 啓 氏
ユニバーサルデザインのコンサルティング専門会社ミライロの森田氏、元パラリンピック射撃日本代表の田口氏が、日本財団パラリンピックサポートセンターと協力し、2016年秋に開かれたリオデジャネイロパラリンピック競技大会(2016年リオ大会)を視察。車いすユーザー3人を含む7人で、アクセシビリティの視点から2016年リオ大会の現地調査を行った。今回は調査報告を行うとともに2020年東京パラリンピック競技大会(2020年東京大会)に向けた検討課題についても考えたい。
2016年リオ大会は治安などに不安があったが、大会運営ボランティアをはじめとするスタッフの対応(笑顔、声掛け、ハイタッチなど)が非常に心地よく、陽気な国民性が人的サポートを後押しした。障害のある方との出会いも多く、障害者、健常者という違いを意識する機会が減っていく感覚を覚えた。 以下、「競技会場」「公共交通機関」に分けて、ポジティブ・ネガティブ両面で気が付いた点を順不同で報告したい。
(1)競技会場
(2)公共交通機関
(1)世界で最も高齢化の進む日本
現在、日本の人口の約26%は高齢者。障害者、3歳未満の子どもたちを合わせると3人に1人はユニバーサルデザインを求めている。ユニバーサルデザインの市場規模は2013年の3兆円から、2025年には16兆円になると予想されている。
(2)社会に存在するバリア
ユニバーサルデザインに取り組むにあたり、社会に存在するバリアは主に環境、情報、意識の3分野にわたる。環境の改善、情報の発信のみならず、2020年に向けてはとくに意識の改革が必要。現状は、無関心か過剰かの二極化の傾向がある。まずは障害者の存在に気付くこと。その上で適切なサポートの方法を理解し、行動することが大事。ハードは変えられなくてもハートは変えられる。
一般社団法人日本パラリンピアンズ協会 理事
田口 亜希 氏
2016年リオ大会に出場した日本人選手、スタッフ計129人にアンケート調査を実施。選手村や競技会場、移動などの便利さを5点満点で評価してもらい、実際の感想も記入してもらった。以下、調査結果の概要を報告する。
(1)選手村
(2)競技会場
(3)移動
(4)総合評価
5点満点で平均3.5点。過去の大会への参加回数が多い選手ほど評価が低かった。ボランティア、スタッフの対応に対する評価はおおむね高かった。
2020年東京大会のハード面は東京だからきちんと整備してくれるだろう、との意見が多く見られた。一方、リオ大会前のアンケートでは、5人に1人が障害を理由にスポーツ施設の利用を断られたことがあると回答。2020年に向けて誰もがスポーツを楽しむことができる環境の整備が求められる。