歴史と沿革
格闘技の一種であるボクシングの起源は古く、古代ギリシャのオリンピックでも、紀元前688年の第23回大会から採用されていたという記録があります。18世紀にはイギリスでボクシングの勝敗に賞金を賭けたプライズファイトが行われ始めましたが、グローブやリング、ラウンドがなく、凄惨な戦いでした。1867年になると同じくイギリスで、3分1ラウンド、グローブ採用、ノックアウト制などを定めたクインズベリールールが制定され、その後次第に近代のボクシングスタイルが確立されていきました。
日本では、1921年、渡辺勇次郎が現在の東京・目黒区下目黒に日本初のボクシングジム「日本拳闘倶楽部」を設立し、1925年には学生拳闘選手権大会が開催され、次第に普及していきました。翌1926年に全日本アマチュア拳闘連盟が設立され、1971年には社団法人日本アマチュアボクシング連盟となり、現在も日本のアマチュアボクシングを統括しています。オリンピックでは、ローマ大会で田邊清がフライ級で銅メダルを、東京大会で桜井孝雄がバンタム級で金メダル、メキシコ大会で森岡栄治がバンタム級で銅メダルを獲得しています。
● 普及状況
ボクシングはオリンピックの競技種目のなかで、陸上の次に参加国数が多いといわれており、世界的に人気の高いスポーツです。日本での登録選手は現在、約5,000名ですが、2010年のアジア大会、また2012年のロンドンオリンピックから女子ボクシングが正式種目に決定したので、今後は女子の普及も期待されています。
また、日本においては2010年より、10歳以上の小学5年生から中学3年生までを幼年ボクシングとして幼年用ルールを設定し、各都道府県で幼年ボクシングの大会が開催され始めました。全国大会も開催予定です。今後はこうした小中学生におけるボクシングの普及を通じて、ボクシング人口の大幅な増加が期待されています。
競技方法・ルール
ボクシングは、(1) 良く握ったグローブのナックルパート(拳面)で、(2) 相手の体の顔面、胸、腹(ベルトラインより上)の前面または側面(背面や後頭部、腕は不可)を、(3) 妨げられたり防がれたりせず直接に、(4) 肩や体の重みを伴って打撃すること、によってポイントとなります。ダウンさせても一打としてのポイントであり、特別の加点はありません。ただし、安全面を考慮し、同じラウンドで3回、合計で4回ダウンを取られると自動的に負けとなります。
なお、プロボクシングは観客の興味に重点を置くので、ダウンを高く評価します。この点がアマチュアボクシングとプロボクシングとの一番大きな相違点です。
ラウンド数については男子と女子、年齢区分などにより若干の違いがありますが、原則は男子が3分3ラウンド、女子は2分4ラウンド、ただし、男女ともジュニア(15歳及び16歳)は2分3ラウンドです。また、10歳以上の小学5年生から15歳までの中学生については幼年ボクシングとして、1分半~2分3ラウンドとしています。いずれもラウンド間の休憩は1分です。
● 階級
ライトフライ級 | 46kg超49kg迄 |
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フライ級 | 49kg超52kg迄 |
バンタム級 | 52kg超56kg迄 |
ライト級 | 56kg超60kg迄 |
ライトウェルタ―級 | 60kg超64kg迄 |
ウェルタ―級 | 64kg超69kg迄 |
ミドル級 | 69kg超75kg迄 |
ライトヘビー級 | 75kg超81kg迄 |
ヘビー級 | 81kg超91kg迄 |
スーパーヘビー級 | 91kg超 |
(*日本では高校生に限り46kg以下の階級を設定している)
ライトフライ級 | 45kg超48kg迄 |
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フライ級 | 48kg超51kg迄 |
バンタム級 | 51kg超54kg迄 |
フェザー級 | 54kg超57kg迄 |
ライト級 | 57kg超60kg迄 |
ライトウェルタ―級 | 60kg超64kg迄 |
ウェルタ―級 | 64kg超69kg迄 |
ミドル級 | 69kg超75kg迄 |
ライトヘビー級 | 75kg超81kg |
ヘビー級 | 81kg超 |
*より詳しいルールやアマチュア規定については、連盟ホームページをご参照ください。
用具など
● リング
4.9~6.1m2 四方で、床には板の上に柔軟なフェルトを敷き、その上はキャンバスで覆っている。
● グローブ
原則10オンス(284g)。ただし、ジュニアの64kg級以上は12オンス(339g)である。拳や指の保護のため、必ず2.5m以下、幅5cm以下の柔らかい縫帯又は伸縮性バンテージを手に巻かねばならない。
● 防具類
マウスピース(口腔内の保護)、ヘッドガード(頭部の保護)、ファウルカップ(下腹部保護)、チェストガード(女子のみ、胸部保護)
お問い合わせ先
社団法人 日本アマチュアボクシング連盟
〒150-8050 東京都渋谷区神南1-1-1 岸記念体育会館内
TEL:03-3481-2333 FAX:03-3481-2334