ターゲット・バードゴルフの歴史・沿革
日本人が編みだした日本発祥(埼玉県)のスポーツ。その歴史の始まりをみるとおもしろい。ターゲット・バードゴルフの概要としては、合成樹脂の羽根つきボールを普通のゴルフクラブで打つ、ミニゴルフの一つである。ゴルフをミニ化したスポーツと言える。発案者がゴルフ愛好家(埼玉県の野嶋 孝重 氏)であったことも大きい。1960年代の日本には、ゴルフ練習場はほぼ存在しなかった。「もっと気軽にゴルフの練習がしたい」「狭い場所でもゴルフの練習はできないか」という考えが根底にあるが、着想は1969年のアポロ11号の月面着陸。ふわりと月面に降りた宇宙船の様子を見て、それを活かしたと言われている。
その後、1985年2月8日、正式名「ターゲット・バードゴルフ」として発表された。誕生当初はニアピン競技であったが、徐々に工夫と改良が重ねられ、現在のような道具を使用する形に進化した。
1988年6月、日本ターゲット・バードゴルフ協会(TBG協会)が創立され、同年、第1回全国スポーツ・レクリエーション祭の正式種目となった。2000年以降も確かな広がりをみせる。ターゲット・バードゴルフの全国大会はもちろん、2005年の岡山国体にはデモンストレーション競技として初参加。さらにハワイやオーストラリア、中国など海外へも普及。競技者同士の国際交流も魅力の一つになっているといえる。
近年、日本国内では年齢問わず健康ブームが大きなトレンドとなっている。その中で、このターゲット・バードゴルフは、特に高齢者スポーツとして全国的に親しまれている生涯スポーツの一つだ。単純明快なルールや体力的な壁もなく、ゴルフという誰もが知るスポーツと似ている為、競技を始めやすい、初心者でも気軽に始めることができる手軽さがある。さらに、専用ボールをホールに入れる爽快感が、他競技にはないターゲット・バードゴルフの大きな魅力でもある。
ターゲット・バードゴルフの歴史は、ゴルフの練習のために、という部分からスタートしたが、今では、競技に参加すると皆が笑顔にも健康にもなる、人気のスポーツとして親しまれ続けている。
ターゲット・バードゴルフの概要
ターゲット・バードゴルフは、ゴルフボールにバドミントンの羽根を付けた専用ボールを、ゴルフクラブ(ウェッジ)で打ち、傘をさかさまに立てた形の直径110cmのホールへ入れるスポーツである。ゴルフと同様、通常は4人1組で、18ホール(パー72)で競う。ストロークプレイ、マッチプレイなどの方法がある。
【特徴や魅力】
・使用クラブは1本だけに限られ、飛距離も18m~22m程度と短いので、老若男女だれでもが安心してフルショットでクラブを振ることができる。
・マットを敷いてボールを打つので、地面や芝を傷めないし、コース設定によっては川越えや林間を通すなどもできるので、どこでも楽しく、ゴルフの醍醐味を味わえる。
・状況に応じて2~3ホールだけでも自由にコース設定できるので、小さな空き地があれば、いつでも気軽に楽しめる。
・ロングホールは70m~90mあり、ボールを空中に飛ばすので爽快感が味わえる。
・羽根付きボールのため風などの影響も受けやすく、自然との戦いも楽しめる、奥の深いニュースポーツ。
ターゲット・バードゴルフのルール
【競技の進め方】
・スタートホールではじゃんけんで打順を決め、第2ホール以降の打順は前ホールで打数の少なかったプレイヤーから打つ。
・アウトオブバウンズ(OB)の境界線からボールがコース外に出たら、ホールに近寄らない(コンパス方式)ようにフェアウェイに戻して打つ。この場合、打数は1打を付加してカウントする。
・ホールインワンはボールの羽根部分を除いた球部が、アドバンテージホールかセカンドホールに入れば認められる。ただし、セカンドホールへのホールインワンは1打を付加してカウントする。
4・全員がホールインすると、次のホールへ進む。(注意:全員がホールインするまで、自分のボールを拾い上げる行為は禁止)
【ショットの原則】
・ボールはショットマット上にセットしてから打つ。
・バンカー内ではショットマットは使わずに打つ。ただし、ボールは球部を中心にして向きだけを変えて打つことができる。
・OBゾーンからのショットは禁止。必ずコンパス方式でフェアウェイに戻してから打つ。
・ホールエリアでOBとなった場合はホールエリアマークから打つ。
・ウォータハザード(池、川など)内ではボールをハザード手前まで戻し、打ち直しラインから打つ。
・ボールはクラブヘッドで正しく打つ。押し出しやすくい上げ、かき寄せるなどの打法は禁止で、2打罰となる。
ターゲット・バードゴルフのコート・用具
【用具】
羽根付きボール、クラブ(1本だけ)、ショットマット、ホールの4点が必要。ボールはショットマットを敷いて打つ。
【プレイ場所】
常設コースでプレイするのが一般的ですが、室内、緑地、空き地等で、仮設コースを造ってプレイスすることもできます。
■ボール
専用の公認ボールを使用する。重量は30g以下で、合成樹脂製。
■ショットマット
市販のゴルフ練習用(20cmx40cm)のもので、センターに白線の入っているもの。
■ホール
開いた傘を逆さまにしたようなホールは、アドバンテージホールと呼ばれる上部ホールが直径約110cm、下部のセカンドホールは樹脂製で直径約86cm。
■コース
常設の公認コースと仮設コースがある。空地があれば、林間でも、小川や池があっても地形に合わせてコース設定でき、どこでも楽しめる。