3月1日に第9回スポーツアカデミーが行われました。
今回は、「スポーツ白書~スポーツが目指すべき未来~」の第9章「スポーツイベントと振興プログラム」をテーマとして、わが国のスポーツ振興に大きな役割を果たしているスポーツイベントやプログラムについて神戸大学の長ヶ原 誠 先生にご講義いただきました。
長ヶ原先生は、スポーツ白書の構成に基づき、全体を「I.スポーツイベント」と「II.スポーツ振興プログラム」の2パートに分け、最初にスポーツイベントについて、国内外のスポーツイベントを16のカテゴリに類型化した表で説明されました。このうち、総合種目開催型の生涯スポーツイベントである「ワールドマスターズゲームズ」を事例としてとりあげられ、「緩やかな参加基準」「オリンピック・パラリンピックなどと比べて低額な開催経費」「生涯スポーツの国際大会の中では最長の滞在期間(参加者および家族)」などの特徴に加え、「生涯スポーツのモデルのような参加者が世界中から集いスポーツを存分に楽しみ、家族と喜び合う姿」が、加齢に対する否定的な見方を変えるなどの「社会文化的便益」を生み出すことが重要であると述べられました。また、国内で行われる複数の生涯スポーツイベントの事例を紹介される中で、ルールはシンプルに保ち参加者の年齢に応じてユニバーサルデザイン化することが肝要であることなどが指摘されました。