2019年のラグビーW杯、20年の東京オリンピック・パラリンピック、21年のワールドマスターズゲームズ関西と国際スポーツイベントが連続で開催される、“ゴールデン・スポーツ・イヤーズ”と言われる3年を目前にして、2018年は世界の目が日本に向いてきた1年だった。訪日外国人の数が上昇を続けていることは、その一つの証と言えるだろう。
そうした中、各競技で日本の選手たちが目覚ましい活躍を見せた。卓球やバドミントンの選手たちは進境著しく、日本のお家芸たる柔道も強化が進んでいる。これらの理由を探ってみると、競技団体のガバナンスにいきつくのではないだろうか。
競技団体のガバナンス・コンプライアンスが今年も問題になる中、ガバナンスのしっかりしている競技団体ほど、選手の発掘から育成、強化が効果をあげられているのではないかと考えられる。人口減少という社会背景もあり、今後もさらなる競技団体の努力が求められることになりそうだ。
国のスポーツ政策に目を向けると、スポーツ庁が発足3年目でさらに重要な役割を果たしている。運動部活動のガイドライン作成は、スポーツ庁だからこその成果と言えるだろう。部活動においては長時間練習をはじめ、さまざまな問題が指摘されながら、なかなか解決の道筋をつけられずにいた。今回は課題がテーブルに乗り、議論が進んでガイドラインの作成につながった。
来春スタートする日本版NCAA「UNIVAS」も、スポーツ庁の指導力によるところが大きい。大学スポーツの優良コンテンツを作って産業化を図るという目的を達成するのは簡単ではないが、「UNIVAS」という旗が挙がったことで、学生アスリートの安心と安全を確保し、学業との両立も促されることが期待される。
2020年東京オリンピック・パラリンピックのボランティア募集が始まり、大会ボランティアの応募が予定数を超え、ラグビーW杯では史上最多となるボランティアの応募があった。スポーツボランティアへの関心が高まった1年だったと言えるだろう。長くスポーツボランティアにかかわってきたSSFは2019年のラグビーW杯、21年のワールドマスターズゲームズ関西の組織委員会と協定を結んでおり(2020年東京大会は、日本財団ボランティアサポートセンター)、今後はボランティア教育などを通じ、大会の成功とスポーツボランティア文化の醸成に力を尽くしていく。
2019年はいよいよゴールデン・スポーツ・イヤーズが本番を迎え、国際スポーツ・フォー・オール協議会(TAFISA)によるワールドコングレスが日本で開催される。またとない契機を迎え、スポーツ・フォー・オールとゴールデン・スポーツ・イヤーズが強く結び付く1年になることに期待したい。