5月29日。IOC理事会の審議の結果、8競技中3競技が最終候補に残った。真っ先に決まったのはレスリングだった。
会見場で「レスリング!」とアナウンスされた瞬間、吉田選手は立ち上がって、ガッツポーズをつくった。すぐに携帯電話で栄和人監督に国際電話をかけた。日本は深夜1時頃。「レスリングが残りました」と報告した。
隣の国際レスリング連盟(FILA)副会長の福田富昭・日本協会会長も顔をくしゃくしゃにして、国際連盟のラロビッチ会長(セルビア)と肩を抱き合った。吉田選手は「本当に跳び上がるほどうれしかった」と言った。
「でも、まだ勝ったわけじゃない。9月の決勝戦に向けて、もっと頑張らないといけないという気持ちになっています」