東京2020オリンピック・パラリンピックの大会・都市ボランティアへの応募状況
- 「応募した」が3.0%
- 「応募はしなかったが応募を検討した」が5.6% → 応募者の2倍弱の「応募予備軍」が存在
- 応募を検討したが応募に至らなかった理由は、「スケジュール調整」「仕事・学業との調整」 によるところが大きい
© 2020 SASAKAWA SPORTS FOUNDATION
スポーツ政策研究所を組織し、Mission&Visionの達成に向けさまざまな研究調査活動を行います。客観的な分析・研究に基づく実現性のある政策提言につなげています。
自治体・スポーツ組織・企業・教育機関等と連携し、スポーツ推進計画の策定やスポーツ振興、地域課題の解決につながる取り組みを共同で実践しています。
「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。
日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。
東京2020オリンピック・パラリンピックの大会・都市ボランティアへの応募状況
過去1年間のボランティア実施状況
スポーツボランティア活動を行った経緯
東京2020オリンピック・パラリンピックの大会ボランティアには、定員(8万人)を大きく上回る20万人が応募した。本調査では、この20万人の裏に、応募を検討しながら最終的に応募しなかった「応募予備軍」が多数存在することがわかり、世界最大のスポーツイベントに対する国民の関心の高さ、インパクトの大きさが確かめられた。
調査結果が示すように、ラグビーワールドカップと東京オリンピック・パラリンピック、そして2021年に開催されるワールドマスターズゲームズ2021関西には、スポーツボランティアに対する気運を高める効果がある。大会に関わる自治体と競技団体には、これらの大会のボランティア「当選者」はもちろん、応募して落選した人や、応募を希望しながら、応募できなかった人の意欲を、大会後のスポーツ振興やまちづくりに活かす取組みに着手してもらいたい。
ラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックのボランティアマネジメントを参考に、これまで関係者を動員して実施してきたスポーツイベントや文化イベント、祭りの運営体制を見直し、自発的に参加するボランティアが「来年も参加したい」と思える魅力的なイベントを一つずつ創出することが求められる。
笹川スポーツ財団スポーツ政策研究所 シニア政策アナリスト澁谷 茂樹
図表1 東京2020オリンピック・パラリンピックのボランティアへの応募状況
東京オリンピック・パラリンピックのボランティアについて、「応募しなかった(応募を検討した)」と回答した者に、その理由を自由記述でたずね、結果を集計した。
東京オリンピック・パラリンピックのボランティアへの応募を検討したものの、応募しなかった理由は、①スケジュール調整、②参加条件、③応募時の問題、④活動への不安、⑤その他に大別される。
このうちで最も多かった①スケジュール調整では、「スケジュールの調整がつかない」(19.4%)、「仕事・学業との調整がつかない」(17.3%)となっている。②参加条件では、「開催地が遠い(移動・宿泊の負担等)」(13.8%)、③応募時の問題では、「締切が過ぎていた」(5.4%)、④活動への不安では、「体力・健康・年齢による不安」(5.2%)がそれぞれ多くなっている。「開催地が遠い(移動・宿泊の負担等)」、「参加条件が厳しい(日数・時間・報酬等)」、「締切が過ぎていた」、「体力・健康・年齢による不安」などについては、開催都市が限られること、大会ボランティアの活動が10日間以上と長期にわたること、真夏の活動であることなどが、ボランティアの応募に影響していると推察される。
全文(PDF:2.21MB)
スポーツボランティア
2019年度
公益財団法人 笹川スポーツ財団