島根県雲南市
- 調査・研究
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島根県雲南市
学校のスポーツ活動における地域人材の活用について
SSFは同市教育委員会とともに、市内の3小学校に配属された「地域スポーツコーディネーター」*の導入成果の検証を平成23年度の共同研究として進めている。対象校の一つである掛合小学校は、平成20年に5つの小学校が統合して出来た学校ということもあり、通学範囲が広く児童の多くがバス通学である。バスで帰宅後も隣家が離れているため、子ども同士で遊ぶ機会に恵まれない。このため、スポ少に参加している児童とそうでない児童の体力・運動能力の二極化が進んでいる。同校は二極化を改善するにあたり、全ての児童が参加できる放課後時間を利用したスポーツ教室の拡充に努めている。
教室の拡充にあたっては、外部のスポーツ指導者による指導を期待したものの、単発での指導は成立するが継続した指導が受けられないことが課題となっている。
そこで今回の意見交換会は、会議主題を「学校のスポーツ活動における地域人材の活用について」とし、学校と地域(地域のスポーツ団体・クラブなど)がいかにすれば連携の度合いを深め、児童・生徒のより豊かなスポーツライフの形成に向けて継続的に協力できるのかについて協議した。
雲南市では、平成20年6月の社会教育法の改正を背景に、学校支援、家庭教育支援を目的に、子どもの教育活動と大人の学習を融合させた「社会の要請に応える社会教育」の実践者として平成22年度から各中学校区(7校区)に「社会教育コーディネーター」7名を配置した。このうちの3名が平成23年度より、子どもたちの健康・体力づくり活動の充実に主業務を特化して「地域スポーツコーディネーター」として、市内の3小学校に配属された。
出席者からの主な意見は以下のとおり。
SSFの政策提言「学校とスポーツ」に対する主な指摘は以下のとおり。
会議を通じて感じたのは、スポ少、総合型クラブ、体育協会、スポーツ推進委員と所属先こそ違うものの、各々でみれば指導者数が極端に不足しているようには見えないという点であった。そこで、まずは団体間の情報共有が図れる場を設定し、学校側からのニーズと人材供給の調整を行うことから始めることを提案した。
その上で、派遣される指導者が勤務先の理解を得られるよう行政が企業側に働きかけるなど、具体的な取り組みについて話し合うことが重要であるという点についても全体で確認した。
会議の総括として、以下を確認した。